“ぼくはいつも 君を見ていた”
1997年9月30日 集英社
主人公の“ぼく”高城祐二は、幼い頃から“観察者”の位置に身を置くことを習い性としてきた。大学の演劇研究会に入部したとき、この立場からの脱出を試みたが、芝居の才能はないらしく、結局観客に戻った。
24歳になった“ぼく”は、小さな地下劇場の前で、17歳の奈美と出会った…。
奈美も女優を志願し、いつかスターとして上海クルーズに行くことを夢見ていた。
奈美の成長・迷い・悩みを、やはり“観察者”として見守っていく“ぼく”だが…
スクエアな勤め人のぼくと、若くて夢見がちで、毎日を楽しもうとしている奈美。
奈美の変化・成長を羨みながらも、なかなか殻を破れないぼく。
奈美の女優への夢は叶うのか!?
そしてぼくは、“観察者”の立場から脱却できるのか!?
今ではコバルト文庫版を入手するのは古本屋を巡っても難しく、集英社から出版された単行本もなかなか見つかりません。
どちらの版でも、この本に巡り会えたらとても幸運だと思います。
ちなみに、このお話の続編?(スピンオフ的)として、のちに「ステージドアに踏み出せば」が刊行されています。
「あこがれは~」から時が経ち、大人として成長した“ぼく”高城祐二も登場します。
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